命がけの医療の現場に溢れた
喜怒哀楽こそが臨床血液の醍醐味
内科専攻医 上杉 由香
●入局:2018年度
●卒業大学:昭和大学
私が初めて血液内科に惹かれたのは学生実習のときで、辛い治療を受けながらも穏やかな笑顔を向けてくださった患者様と、患者様への熱く優しい思いに溢れていた主治医の姿を今でも覚えています。当時は悪性腫瘍の診療は年数を積まないと携われないものだと思っていましたが、その後当院の初期研修に進み、血液内科の若手医師が診断から治療まであらゆる場面で活躍し患者様からも厚く信頼されている姿に憧れを抱いて、入局を決めました。
当医局では同種移植・自家移植も含めバランスよく臨床経験を積むことができ、大学院進学後の研究テーマも様々です。移植に力を入れたい・基礎研究を早くからやりたい等といった明確なキャリアプランがなく漠然と血液内科が面白いと考えていた私にとっては、この門戸の広さはプラスでした。
先輩方のもとでのびのびと様々な経験を積ませていただいたおかげで多くの学びを得ることができ、最近では更に深く掘り下げていきたい分野も見えてきたので、私のようにはじめは万遍なく血液内科の世界に触れたい方も学びやすい環境が整っていると感じます。
血液内科の世界は新しい治療法や疾患概念が次々と誕生するので、勉強し続けることで目の前の患者様のアウトカムを改善でき、研究することで将来の患者様のアウトカムを改善できる、自身の研鑽が誰かの役に立つ非常にやりがいのある仕事です。ひと昔前には諦めなくてはいけなかった状況を打破する治療法が生まれていくダイナミックな時代で、最新の治療を駆使して患者様を救えたときの喜びはずっと心に残っています。
もちろんシビアな症例も多いので、手を尽くしても亡くなってしまったり予期せぬ合併症を起こしてしまったりと忘れられないような悔しい思いも悲しい思いもたくさんしてきていますが、命がけの医療の現場に溢れた喜怒哀楽こそが臨床血液の醍醐味だと思っています。
ここまでお読みいただきありがとうございます。少しでも血液内科に興味がある方は是非一度当医局に遊びに来てください。ここに書ききれなかった血液内科の魅力をお話しますし、文字では伝えられない医局の雰囲気の良さをお伝えできればと思います。
※掲載スタッフの役職・仕事内容などは、2022年時の情報です。